Wachet Auf, Ruft Uns Die Stimme《目覚めよ、と我らに呼ぶ声あり》BWV140
Wachet auf, ruft uns die Stimme
目覚めよ、と我らに呼ぶ声あり
Der Wächter sehr hoch auf der Zinne,
物見らは城壁から高らかに叫ぶ*1
Wach auf, du Stadt Jerusalem!
目覚めよ、都(みやこ)エルサレムよ!
Mitternacht heißt diese Stunde;
時は真夜中、
Sie rufen uns mit hellem Munde:
我らに呼ばわる声が響く、
Wo seid ihr klugen Jungfrauen?
「賢いおとめたちはどこにいる?」と。*2
Wohl auf, der Bräutgam kömmt;
花婿がやってきた、
Steht auf, die Lampen nehmt!
立ち上がり、ともしびをかかげよ!
Alleluja!
アレルヤ!
Macht euch bereit
備えよ、
Zu der Hochzeit,
婚礼に。
Ihr müsset ihm entgegen gehn!
花婿を出迎えよ!
*1 物見は夜警、見張りとも訳される。「エルサレムよ、あなたの城壁の上に/わたしは見張りを置く。昼も夜も決して黙してはならない。主に思い起こしていただく役目の者よ/決して沈黙してはならない。」(イザヤ書62:6)に由来し、預言者などの比喩。
*2 『マタイによる福音書』第25章に登場する天国についてのたとえ話「十人のおとめ」にもとづく。出迎え用の灯りを持つ役目の十人のおとめたちのうち、予備の油を持っていなかった五人が、慌てて油を買いに行っていたら花婿の到来に間に合わず閉め出されてしまう。決して誰もが平等に天国に迎えられる訳ではないというキリスト教の厳格な側面がうかがえる。
*2 『マタイによる福音書』第25章に登場する天国についてのたとえ話「十人のおとめ」にもとづく。出迎え用の灯りを持つ役目の十人のおとめたちのうち、予備の油を持っていなかった五人が、慌てて油を買いに行っていたら花婿の到来に間に合わず閉め出されてしまう。決して誰もが平等に天国に迎えられる訳ではないというキリスト教の厳格な側面がうかがえる。
(実は『十人のおとめ』のたとえ話で、途中で五人が残りの五人に「油をわけて」と頼むが拒否されるという生々しいくだりがある。ロビンは昔は「冷たいなあ」と思っていたのだが、よく考えてみると準備を怠ってた奴らは普段からルーズで、借りパク暮らししてたらとんでもないところで仕返しされたとも読み取れるな! 持ち込み可の試験前に「ノート貸して!せめてコピらせて!」と親しくない奴に言われて貸すと、そのまま持ってかれることがあるぞ! 絶対貸さない方がいいぞ! そういうことだ!)
(油は普段から積み重ねた善行や信仰の例えとされる。「最後の審判の直前に他人の善行や信仰をちょい借りはできない、自分の手持ちしかない」というシビアなたとえ話なのである)
Zion hört die Wächter singen,
シオンは物見らが歌うのを聞いた、*1*2
Das Herz tut ihr vor Freuden springen,
彼女の心は喜びにはずむ。
Sie wachet und steht eilend auf.
彼女は目覚め、急いで起き上がる。
Ihr Freund kommt vom Himmel prächtig,
彼女の恋人は天から華やかに装って来る、*3
Von Gnaden stark, von Wahrheit mächtig,
慈悲ゆえに力強く、真理ゆえに力極まりしお方が。
Ihr Licht wird hell, ihr Stern geht auf.
彼女の光は輝き、その星は昇る。
Nun komm, du werte Kron,
いざ来たれ、とうとい冠よ、
Herr Jesu, Gottes Sohn!
主イエス、神の御子よ!
Hosianna!
ホサナ!*4
Wir folgen all
我らもこぞりて
Zum Freudensaal
歓びの広間へゆこう
Und halten mit das Abendmahl.
そして聖餐にあずかろう。
*1 エルサレムの南東にあった丘。後に北にあったモリア山もこの名で呼ばれる。転じて、エルサレムあるいはその住民全体を擬人化して「シオンの娘」「娘エルサレム」などと呼ぶ。
*2 「眠っていても/わたしの心は目覚めていました。/恋しい人の声がする、戸をたたいています。」(旧約雅歌5:2)
*3 《明日はわたしが踊る日》でも触れたように、神と人との関係は花婿と花嫁、あるいは熱愛する恋人同士に例えられた。
Zion hört die Wächter singen,
シオンは物見らが歌うのを聞いた、*1*2
Das Herz tut ihr vor Freuden springen,
彼女の心は喜びにはずむ。
Sie wachet und steht eilend auf.
彼女は目覚め、急いで起き上がる。
Ihr Freund kommt vom Himmel prächtig,
彼女の恋人は天から華やかに装って来る、*3
Von Gnaden stark, von Wahrheit mächtig,
慈悲ゆえに力強く、真理ゆえに力極まりしお方が。
Ihr Licht wird hell, ihr Stern geht auf.
彼女の光は輝き、その星は昇る。
Nun komm, du werte Kron,
いざ来たれ、とうとい冠よ、
Herr Jesu, Gottes Sohn!
主イエス、神の御子よ!
Hosianna!
ホサナ!*4
Wir folgen all
我らもこぞりて
Zum Freudensaal
歓びの広間へゆこう
Und halten mit das Abendmahl.
そして聖餐にあずかろう。
*1 エルサレムの南東にあった丘。後に北にあったモリア山もこの名で呼ばれる。転じて、エルサレムあるいはその住民全体を擬人化して「シオンの娘」「娘エルサレム」などと呼ぶ。
*2 「眠っていても/わたしの心は目覚めていました。/恋しい人の声がする、戸をたたいています。」(旧約雅歌5:2)
*3 《明日はわたしが踊る日》でも触れたように、神と人との関係は花婿と花嫁、あるいは熱愛する恋人同士に例えられた。
*4 福音書の中で、イエスがエルサレムに入城したとき、救い主を待ち望む民衆がしゅろの葉を振りながら叫んだ囃子詞。本来は「我らを救い給え」を意味してたが、のちに礼拝などで気分の高揚や賛美をあらわすかけ声と化した。
text: Philipp Nicolai (1556-1608)
tune: ニコライのメロディを元にJohann Sebastian Bach(1685-1750)がカンタータとして編曲
text: Philipp Nicolai (1556-1608)
tune: ニコライのメロディを元にJohann Sebastian Bach(1685-1750)がカンタータとして編曲
真夜中に
『花婿だ。迎えに出なさい』と
叫ぶ声がした。
(マタイによる福音書25:6)
大バッハのカンタータの中で特によく知られるもののひとつ。元来は三位一体節後第27日曜日用の作品(イースターがものすごく早かった年にしか出現しない、11月最後の日曜日)。特に第4曲目のテノールのコラール《シオンは物見らの声を聞き》は後にオルガン曲《目覚めよと我らに呼ぶ声あり》BWV645として編曲された。同タイトルではこちらの方がよく知られているかもしれない。
Amsterdam Baroque Orchestra & Choir, Ton Koopman
収録アルバム: Bach: Dialogue Cantatas I
Challenge Classics
2008-09-30
Challenge Classics
2008-09-30
収録アルバム:Bach - Koopman : Orgel- und Cembalowerke - Kammermusik - Motetten
おまけ:讃美歌第174番および古今聖歌集第10番では「起きよ夜は明けぬ」として以下の日本語訳詞がある。
起きよ、夜は明けぬ、
夜警(ものみ)らは叫べり、
起きよ、エルサレム。
おとめら、目覚(めさ)めよ、
新郎(はなむこ)は来ませり、
めさめて迎えよ。
さかえの主は
くだりましぬ、
ハレルヤ。
ともしび
かかげて
いざむかえまつれ。
よろこびあふるる
夜警(ものみ)らの叫びに、
おとめらは覚(さ)めぬ。
さかえにかがやく
主の降(くだ)りたまえば、
ひかりはさしでぬ。
主よ、よくこそ
ましましけれ、
ハレルヤ。
祝いのむしろに
いざつかせたまえ。
天地(あめつち)こぞりて
稜威(みいつ)たぐいもなき
主をたたえまつれ、
玉座(みくら)をめぐりて
勝ち歌をうたえる
みつかいとともに。
待ちにまちし
主はきませり、
ハレルヤ、
栄(は)えある
かちうた
いざともにうたわん。
収録アルバム:なつかしの讃美歌名曲ベスト40
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