In dulci jubilo
Let us our homage show:
Our heart's joy reclineth
In praesepio;
And like a bright star shineth
Matris in gremio,
Alpha es et O!
甘き歓びのうちに、
いざ仰ぎたてまつれ。
我らの心は歓び躍る、
ひとつのうまぶねのうちに。*1
輝く星の光のように、
み母の膝におられる方、*2
アルファにしてオメガ!*3

O Jesu parvule!
I yearn for thee alway!
Hear me, I beseech thee,
O Puer optime!
My prayer let it reach thee,
O Princeps gloriae!
Trahe me post te!
ああ、小さきイエスよ!
わたしは絶えずあなたに恋いこがれています!
お聞きください、わたしの嘆願を、
ああ、比類無き幼子よ!
わたしの祈りがなたのもとへ届きますように、
ああ、栄光の君よ!
わたしの手を引き、み跡に続かせ給え!

O Patris carita,
O Nati lenitas!

Deeply were we stained
Per nostra crimina;
But thou for us hast gained
Coelorum gaudia.
O that we were there!
ああ、愛の父よ、
ああ、慈しみのゆえに生まれた方よ!

我らはひどく穢れていた、
我らが罪によって。
だがあなたは我らに勝ち得てくださった、
天の歓びを!
ああ、我らもそこにあらんことを!

Ubi sunt gaudia,
If that they be not there?
There are angels singing
Nova cantica,
There the bells are ringing
In Regis curia:
O that we were there!
歓びのあるところ、
そこに天使が居ないことがあるだろうか?
天使たちが歌っている、
新しき歌を。*4
鐘が鳴っている、
王の宮廷で。
ああ、我らもそこにあらんことを!

*1 飼い葉桶。
*2 gremioは基本的に膝を指すが、胸、胎内など女性が子供を守り育むような奥まった場所にも使う。
*3 「わたしはアルファであり、オメガである。/最初の者にして、最後の者。/初めであり、終わりである」(ヨハネの黙示録22:13)。ギリシャ語でアルファはA、オメガはZ。最初と最後の意。
*4 「新しい歌を主に向かって歌え」(詩編98:1)。「新しい歌」は詩編や預言書で頻出するフレーズ。賛美歌を伴う礼拝は古くからあり、音楽によって日々刷新される信仰心をあらわした。

Cantate Domino《主に向かいて歌え》Hassler : ロビンソン商会 歌詞対訳works
Cantate Domino主に向かいて歌えCanticum Novum新しき歌を
 cockrobin.blog.jp

text & tune: 14世紀頃のドイツのキャロルをRobert Lucas de Pearsall(1795-1856)が編曲・英訳

日本では「もろびと声あげ、よろこびたたえよ……」の訳詩で歌われる。マカロニック、雅俗混合体などと呼ばれる、異なる言語をごちゃまぜにした歌詞を持つキャロル。本来はラテン語とドイツ語の混合であったが、1837年にロバート・ルーカス・デ・ピアソルによってラテン語と英語の混合の訳詩が生まれた。ピアソルの編曲は、イギリスのクリスマス礼拝では定番となっている。
なお、ピアソルはよくヘンリー・パーセルと混同されるが全然まったく別人なので悪しからず。

ドイツ語圏代表のプレトリウスによるバージョンも参考のこと。

In Dulci Jubilo《甘き歓びのうちに(もろびと声あげ)》Praetorius
In dulci jubilo, 甘き歓びのうちに、 Nun singet und seid froh! 今ぞ歌い喜べ! Unsers Herzens Wonne liegt 我らの心は至福に満ちる、 in praesepio, ひとつのうまぶねのうちに。
 cockrobin96.blogspot.com

11世紀ごろスペインで製作された写本の17世紀ごろの模写
ファンロのベアトゥス黙示録註解」より「アルファとオメガ」
原本はすでに失われたと考えられている
中央にキリストをあらわす小羊が描かれた十字架の両腕に、
オーナメントのようにアルファ(A)とオメガ(ω)がぶら下がっている

Choir of King's College, Cambridge/Stephen Cleobury
収録アルバム: A Festival of Nine Lessons and Carols
In Dulci Jubilo.
Warner Classics
2004-04-01


おまけ:キリ・テ・カナワによるコヴェントリーでのライブ録音で、ピアソルの編曲に基づきさらに編曲がかけられていると思われるが、編曲者(Cullenとある)の詳細が不明なやつ。( 3:40~)


キリ・テ・カナワ
収録アルバム: Christmas with Kiri Te Kanawa
In dulci jubilo (Arr. Cullen)
Warner Classics International
2006-11-14





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