Joseph lieber Joseph mein
愛しいヨセフ、わたしのヨセフ、
hilf mir wiegen das Kindelein,
我が子を揺らすのを手伝ってくださいな。
Gott, der wird dein Löhner sein
あなたに報いてくださる神なるお方を、
im Himmelreich, der Jungfrau Kind Maria.
天にまします、おとめマリアの御子を。
Eia, eia.
ねんね、ねんねよ!*1

Virgo Deum genuit,
おとめが神を産んだ、
quom divina voluit clementia.
神の慈しみ深い思し召しゆえに。
Omnes nunc concinite,
万物は今ぞこぞりて、
nato regi psallite,
生まれ給うた王をほめ歌え。
voce pia dicite:
心を込めて声を上げよ、
sit gloria Christo nostro infantulo.
「我らのいとけなきキリストに栄光あれ」と。
Hodie apparuit in Israel,
この日イスラエルに現れ給えり、
quem praedixit Gabriel,
ガブリエルに予告されし、
est natus Rex.
王は生まれ給えり。

*1 「eia(アイア)」は赤子をあやすときの決まり文句。

text: 作者不詳のドイツ民謡、現在の形に近い文献初出は1544年Johann Walter出版の聖歌集
tune: 14世紀半ばごろのラテン語聖歌《Resonet In laudibus(歓呼を響かせよ)》

原型は12世紀半ばの神秘劇の劇中歌とされている。ザルツブルクの修道士が1400年ごろにこの歌の原型とそれが歌われる様子を記録している。このドイツ語とラテン語の混交となっている歌詞は、マルティン・ルターとも親交があった作曲家ヨハネス(ヨハン)・ヴァルター(Johann Walter 1496 – 1570)によって記録されたバージョン。歌詞には複数のバージョンがあり、ドイツ民謡集『少年の魔法の角笛』にもこのキャロルの異形が収録されている。

Joseph, Lieber Joseph Mein《ヨセフ、わたしの愛しいヨセフ》Rundfunk Jugendchor Wernigerode : ロビンソン商会 歌詞対訳works
"Joseph, lieber Joseph mein,「ヨセフ、わたしの愛しいヨセフ Hilf mir wiegen mein Kindelein!" わが子を抱っこするのを手伝ってくださいな」"Will es wiegen und singen ein:「抱っこして歌って欲しいのだね
 cockrobin.blog.jp

ヨセフは聖母マリアの夫で、人間としてのイエスの父。大工であったとされる。初期はマリアとイエスに比べて影が薄く、中世劇では身に覚えなく妊娠した若妻をもてあます愚かな老人として描かれることさえあった。しかし次第にマリアとイエスを受け入れた優しさ、敬虔さが強調されるようになり、独立した聖人として地位を確立した。大工を代表とする労働者、また父親の守護聖人。

ヘラルト・ダヴィト(c.1460 – 1523)
「エジプト逃避上の休息」
遠景でヨセフが木の実を集めようとしている

Dresdner Kreuzchor & Matthias Jung
収録アルバム: クリスマス合唱曲集
J.G. Walther: Joseph, lieber Joseph mein
Deutsche Grammophon (DG)
2003-10-29


おまけ