When that I was and a little tiny boy,
With hey, ho, the wind and the rain,
A foolish thing was but a toy,
For the rain it raineth every day.
俺がちっちゃな坊やだった頃、
ヘイ・ホー、風吹き雨が降る
オモチャ以外は興味なし
毎日雨降りざあざあだったから

But when I came to man's estate,
With hey, ho, the wind and the rain,
‘Gainst knaves and thieves men shut the gate,
For the rain it raineth every day.
俺が人並になった頃
ヘイ・ホー、風吹き雨が降る
ごろつきの泥棒だと門前払いを食わされた
毎日雨降りざあざあだったから

But when I came, alas! to wive,
With hey, ho, the wind and the rain,
By swaggering could I never thrive,
For the rain it raineth every day.
俺が、ああ! 嫁さんをもらった頃
ヘイ・ホー、風吹き雨が降る
空威張りでは出世はできぬ*1
毎日雨降りざあざあだったから

But when I came unto my beds,
With hey, ho, the wind and the rain,
With toss-pots still had drunken heads,
For the rain it raineth every day.
俺が寝床へ向かう頃*2
ヘイ・ホー、風吹き雨が降る
飲んだくれどもと一緒に二日酔い
毎日雨降りざあざあだったから

A great while ago the world begun,
With hey, ho, the wind and the rain,
But that’s all one, my tale is done,
And I'll strive to please you every day.
大昔の天地の始まりから
ヘイ・ホー、風吹き雨が降る
これで全部、俺の話はおしまい*3
俺は毎日みんなを楽しませようと励むのさ

*1 「First thrive and then wive(栄えてから妻をめとれ)」という諺をもとにしている。
*2 ベッドが複数形になっているのは、行く先々で飲んだくれては適当な宿屋に転がり込んでいる(だから寝床が複数ある)ため、あるいは年老いてしょっちゅう寝込むようになったためと解釈されている。
*3 原詩では「play is done, We'll...」となっている。「お遊びはおしまい」とも、役者が素に戻り「劇はおしまい」と言っているともとれる。字幕では「道化は毎日みんなを笑わせる」と訳されていた。それもまたよし。

text: William Shakespeare(1564-1616)
tune: Shaun Davey(1948-)

1996年公開の、舞台設定をヴィクトリア朝風に置き換えたシェイクスピアの映画化『十二夜』のエンディング。
男装のヒロインヴァイオラのオーシーノ公爵への恋慕を縦軸に、美貌の女伯爵で公爵の想い人オリヴィアとその周辺の変な人々を横軸に展開するラブコメディ。オリヴィア付きの道化フェステが大団円としてこの歌を歌う。映画ではそれぞれの歌詞に対応し、1番ではオリヴィアの求婚者で頭カラッポのアンドルー卿が退場、3番ではオリヴィアの叔父で居候のトービー卿が侍女のマライアと駆け落ちする場面…となっている。2番は誰だったか忘れた。

道化は阿呆(fool)とも呼ばれ、絶えず事を混ぜっ返して人をおちょくるのが仕事。彼らは王をおちょくってですら赦されるという特権を持ち、世の中を鋭く風刺した。エリザベス朝の道化ロバート・アーミンは「All but The fool were fools(道化以外は皆阿呆)」とまで言ってのけている。フェステもオリヴィアから一目置かれ、ヴァイオラから「頭のいい人だ」と感嘆されている。オリヴィアの家令(中世の執事にあたるがもっと身分が高い)で気取り屋のマルヴォーリオは格好のおちょくり相手で、フェステにこっぴどい目に遭わされて大恥をかく。

ちなみに、タイトルの『十二夜』はクリスマスから数えて十二日目の顕現節(エピファニー)のことで、クリスマスの終わりを盛大に祝い、異性装遊びや劇などで締めくくった。『What You Will(御意のままに)』というサブタイトルがある。

ヒロインはともかく、男どもの行動パターンがひどすぎだろ。
公爵:オリヴィア好き!→小姓が恋のライバルだとチクショー!→え?お前女?→振られたしもうこいつでいいや
ヴァイオラの双子の兄:全然知らん女にプロポーズされた→美人だしまあいっか 据え膳食っとけ

(CDのみ)
Twelfth Night
Shaun Davey
Silva Screen
1996-09-05


十二夜 [DVD]
イモジェン・スタッブス
東北新社
2005-06-24