Of The Father's Heart Begotten《父なる神のみ心により生まれ給えり(世の成らぬ先に)》Piae Cantiones
Of the Father's heart begotten,
Ere the world from chaos rose,
He is Alpha, from that Fountain
All that is and hath been flows;
He is Omega, of all things,
Yet to come the mystic Close,
Evermore and evermore.
父なる神のみ心により生まれ給えり、
世が混沌から成るよりも先に。*1
彼こそ根源のアルファなり、*2
万物を湧きいでさせ給うものなり。
彼こそ万物のオメガなり、
来たるべき畏るべき終焉なり。
常永久(とことわ)までも。
By His Word was all created
He commanded and 'twas done;
Earth and sky and boundless ocean,
Universe of three in one,
All that sees the moon's soft radiance,
All that breathes beneath the sun,
Evermore and evermore.
その御言葉より万物は造られたり、
主のみことのりは成し遂げられ給いぬ。
地も空も果てなき海も、
森羅万象は三位一体のうちにあり。
月の柔らかき輝きを仰ぐものも、
陽の下に息づくものもみな。
常永久までも。
He assumed this mortal body,
Frail and feeble, doomed to die,
That the race from dust created,
Might not perish utterly,
Which the dreadful Law had sentenced
In the depths of hell to lie,
Evermore and evermore.
主は死すべき人の形をとり給いぬ、
か弱く、もろく、死へと定められし肉体に。
塵から造られるとも、
塵と消え去るのみにあらず。*3
酷刑に処され、
冥府の深みに伏せる生き物として。
常永久までも。
O how blest that wondrous birthday,
When the Maid the curse retrieved,
Brought to birth mankind's salvation
By the Holy Ghost conceived,
And the Babe, the world's Redeemer
In her loving arms received,
Evermore and evermore.
いかに幸いなるかな、この驚くべき誕生の日よ、
原罪から免(まぬが)れたおとめが
万人の救いをもたらした時ゆえに、
それは聖霊により御宿(おんやど)られた。
嬰児(みどりご)にして世のあがない主は
おとめの愛(め)ぐし腕(かいな)に受け止めらるる。
常永久までも。
This is He, whom seer and sibyl
Sang in ages long gone by,;
This is He of old revealed
In the page of prophecy;
Lo! He comes the promised Saviour;
Let the world his praises cry!
Evermore and evermore.
この人こそ、預言者と巫女が*4
世々に長らく歌い継ぎしもの。
これぞいにしえよりの啓示、
預言の書に記されたこと。
見よ! 誓いの通りに救い主は来たる、
世界よ、その誉れを歓呼せよ。
常永久までも。
Sing, ye heights of heaven, his praises;
Angels and Archangels, sing!
Wheres oe’er ye be, ye faithful,
Let your joyous anthems ring,
Every tongue his name confessing,
Countless voices answering,
Evermore and evermore.
歌え、天の高きにいます者らよ、主の誉れを
天使たちと大天使たちよ、歌え!
至るところにいる、信仰篤き者らよ、
喜ばしい頌歌を響かせよ。
舌を持つものは皆主の御名を告白せよ、
無数の声よ応唱せよ。
常永久までも。
*1 「初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。 」(創世記1:1-2)
*2 「わたしはアルファであり、オメガである。/最初の者にして、最後の者。/初めであり、終わりである」(ヨハネの黙示録22:13)
*3 「主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。 」(創世記2:7)「お前は顔に汗を流してパンを得る/土に返るときまで。お前がそこから取られた土に。塵にすぎないお前は塵に返る。」(創世記3:19)
*4 シビュラ、シビラとも。本来は古代地中海における、神託を告げる巫女のこと。古代ローマでは、迫り来る神の怒りによる天災を解決する方法を記したとする『シビュラの書』があり、限られた人間しか読む事ができなかった。その貴書にあやかってユダヤ教徒が作った同人誌贋作が『シビュラの託宣』。異教徒から見た救世主預言という形をとり、キリスト教でも取り入れられた。
text: Roby Furley Davis(1866-1937)が中世のラテン語聖歌《Corde natus ex parentis》を『English Hymnal 英語聖歌集』用に英訳したもの。
tune: フィンランドの聖歌集『ピエ・カンツィオーネス』の《Divinum Mysterium》より David Willcocks(1919-2015)によるアレンジ
ジョン・メイソン・ニールによる英訳詩《Of The Father's Love Begotten《父なる神の愛より生まれ給えり(世の成らぬさきに)》Piae Cantionesとしても知られる。詳細は該当記事の方で。
Of The Father's Love Begotten《父なる神の愛より生まれ給えり(世の成らぬさきに)》Piae Cantiones
Of the Father's love begotten, Ere the worlds began to be, He is Alpha and Omega, 父なる神の愛より生まれ給えり、 世の始まりより先んじて。*1 彼こそはアルファにしてオメガ、*2
cockrobin96.blogspot.com
ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団
収録アルバム: Christmas At King's
おまけ:讃美歌第二編第87番として収録された「世の成らぬ先に 父なる神の…」で始まる日本語訳詞は以下の通り。讃美歌21第245番では「世の成らぬ先に すでにいまして…」で始まるものとなっている。
世の成らぬさきに
父なる神の
みこころのうちに
生まれしみ子は、
よろずのものの初め
また終わりなり。
栄えあれ永久(とわ)に。
やがて時満ちて
おとめマリヤは
聖霊(みたま)に満たされ
みどりご生みぬ。
これぞ神のひとりご
世の救い主。
栄えあれ永久に。
古(いにしえ)のひとの
ひとしく告げし
新しきみ代は
ここに開けぬ。
造られしものみなよ、
ともに迎えよ。
栄えあれ永久に。
アーメン
KAY合唱団指揮:奥田耕天オルガン:吉田實
収録アルバム: 讃美歌第二編 第5集 クリスマス名曲選(2)

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