*Downe a downe hay downe
 They were as blacke as they might be
 Downe a downe hay downe
 With a downe derrie down derrie
 Downe a downe hay downe
 There were three ravens sat on a tree
 Downe a downe hay downe
 With a downe derrie downe
*ダウン・ダウン・ヘイ・ダウン
 この上なくも黒い
 ダウン・ダウン・ヘイ・ダウン
 ダウン・デリ・ダウン・デリ
 ダウン・ダウン・ヘイ・ダウン
 三羽の大鴉が一本の木にとまっていた
 ダウン・ダウン・ヘイ・ダウン
 ダウン・デリ・ダウン

The one of them 
said to his mate
"Where shall we 
 our breakefast take?"
"Downe in yonder greene field
 There lies a knight slain vnder his shield"
そのうちの一羽が
仲間に言った
「我らはどこで
 朝食をとるとするかね?」
「あの遠くの緑の野原へ降りていこう
 ひとりの騎士が盾の下に倒れている」

*Refrain
*繰り返し

"His hounds they lie 
 downe at his feete
 So well they can 
 their master keepe
 His haukes 
 they flie so eagerly
 There's no fowle dare him 
 to come nie"
「猟犬たちが
 その足元で伏せている
 忠実に
 主人を守り抜いている
 鷹たちが
 一心不乱に飛びまわっている
 仇なすものがひとつたりとも
 そばへ寄らぬように」

*Refrain
*繰り返し

Downe there comes 
a fallow doe
As great with yong 
as she might goe
She buried him 
before the prime
She was dead herselfe 
ere euen-song time
そこへ駆け下りてきたのは
淡い褐色の女鹿*1
その身に宿した子を*2
今にも生み落とさんばかり
彼女が騎士を埋葬した
朝の祈りの時刻が始まる前に*3
そして彼女も息絶えた
夕べの祈りの時刻にもならぬうちに*4

*Refrain
*繰り返し

*Refrain
*繰り返し

*1 女鹿のようにしなやかな女性の比喩ともとれるし、すでに亡くなっている騎士の恋人あるいは妻が女鹿の姿であらわれたともとれる。
*2 greatは古語で「妊娠している、身ごもっている」を意味する。
*3 primeを「若盛り」ととることもできるが、後述の「夕の祈り」との対比として、日の出時または午前6時ごろに行われる「朝の礼拝」、カトリックにおける「一時課」に相当する。
*4 even songは英国国教会における「夕べの祈り(晩祷)」、カトリックにおける「晩課」を指し、毎日夕刻に行う礼拝・祈り。uとvは中世ではよく混同された。

text & tune: 作者不詳の英国民謡 

チャイルド・バラッド第26番。文献初出は1611年出版の歌集『メリスマータ』だが、発祥はさらに古いと考えられている。
異形としてThe Twa Corbies《二羽の小鴉》というスコットランド民謡が存在するが、こちらの歌詞はより不気味で暗く救いがない、《三羽の大鴉》のアンチテーゼとなっている。猟犬にも鷹にも恋人にも見捨てられた騎士の遺体は、鴉たちの食料にされ、髪は巣作りの材料とされてしまう。

収録アルバム:SongBook1
SongBook 1
YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS
2017-04-26


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